うそがいた!笛吹きの小鳥さん

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谷間の木に何かいるな、と思って見た。うそだったけど、すぐに飛んで行った。しばらくじっとしていたら、さかんに鳴き声がする。あの独特のやわらかな、口笛をやわらかくした、あの鳴き声がさかんに聴こえた。うれしくなって、鳴き声のする方をじっとして探しながら見ていたら、飛んできて、高い杉の木に絡まった葉の落ちた藤弦に止まってくれた。

ああ、うれしいです。

 

笛吹きの小鳥さえずる冬の谷

 

喉赤きオスも見えたりうその群れ

 

五羽の群れ数を数えし如月に

 

雪解けの池にゆらぎぬ雪の鯉

 

もうひとつ赤きは何処雪消えて

 

繋がれし犬のまなざし寒き庭

 

大好きなトムの写真を撮りし冬

 

年老いた犬のまなざし哀し冬

 

沈黙の中で梅生き芽を吹きぬ

 

森生きて芽吹きの木あり冬ゆきぬ